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朝鮮学校を訪ねて感じたこと

差別・朝鮮学校
10 /29 2018
朝鮮学校を訪ねて感じたこと

10日13日に前川喜平氏の講演会が、
江東区の枝川朝鮮学校で行われたので、参加しました。
演題は「日本における民族教育の意味」というもので、
特に拉致問題とも東アジア・朝鮮半島情勢とも、
直接の関係がない内容でしたが、
拉致問題で何かと名前が挙がる朝鮮学校を一度自分の目で見てみたい
という意識から、参加を決めました。
なかなかない機会ですからね。

ちなみに、今年の家族会・救う会の運動方針には以下のような記述があります。
「朝鮮学校に対する自治体補助に対して、
拉致に関する教育内容の観点などから反対する。
各自治体への運動を継続強化する。
朝鮮大学校の各種学校認可取り消しを求める運動を行う。」
これは例年、ほぼ同じ内容で記載され続けています。
家族会・救う会の朝鮮学校に対する姿勢の詳細については、
当ブログの「「朝鮮」と名のつくものには何をしてもいいのか?」
をご覧頂ければ幸いです。

そしてこの講演会についての産経新聞の記事に、
島田洋一救う会副会長が以下のツイートをしています。
「この男(前川氏)はどこまで転落するのか。
もう社民党から立候補するぐらいの末路しかないだろう」(10月13日)
前川氏・朝鮮学校のみならず、社民党に対しても、
悪意むき出しの感があります。

さて、会場は東京朝鮮第二初級学校講堂ということでしたが、
会場に着いての感想は、
「なんてささやかな学校だろう」ということでした。
講堂=体育館で、教室も少なく、
ウィキペディアで調べると、2008年1月時点で生徒数は61人とあります。
単純計算で、1学年10名ほどということになるでしょう。
拉致問題周辺ではやたらと「朝鮮学校!」「朝鮮学校!」と、
中にはスパイ養成学校のように言う人もおり、
なんとなくものものしさを感じていたのですが、
実際見てみると、そのようなイメージとは正反対なものでした。

一校の印象だけで全てを判断する訳にもいかないので、
これもウィキペディアの「朝鮮学校」の項で調べてみると、
全国各地の朝鮮学校の生徒数は、
「毎日新聞によると2016年5月時点の児童・生徒数は6185人で、
うち高級学校生徒数は1389人」とあります。

「日朝ピョンヤン宣言16周年9・15集会」で配られた資料によると、
高校無償化制度からの朝鮮高校除外によるこれまでの被害累計
(概算、2010~2017年度、目安世帯年収350~590万)
17億8200万円(5000人以上)
地方自治体による朝鮮学校への補助金停止によるこれまでの被害累計
   (概算、2010~2017年度、都道府県自治体のみ)
   4億4400万円以上(2017年度時点で14都府県が停止)
とあります。

各家庭にとっては大変な金額ですが、
安全保障や国際問題というスケールでは微々たるものです。
というより、拉致問題や核ミサイル問題の対策において、
朝鮮学校への補助金を云々するなど、
その取り組む姿勢自体を疑問視されても仕方がないのではありませんか?
余りに飛躍しすぎであり、やるべきことは他にいくらでもあります。

さて話を戻します。
気付いたのは、校内の表示がハングルで統一されていることです。
壁に貼られている習字もハングルの習字。
日本の小学校に該当する学校なのに、児童も大変だなと思いました。
一歩外にでたら、日本語しか話されていないというのに。

二か国語を学ぶだけでも大変なのに、
さらにどこかで朝鮮総連のスパイとしての教育をうけている、
というのはかなり無茶な想像のように感じました。
韓国映画「シュリ」の冒頭部分でも想像しているのでしょうか?

講演の内容自体、大変ためになるものでしたが、
このブログの趣旨から外れますので、特に論評はしません。
講演の内容とは別に印象に残ったのは、
途中で前川氏が、ハングル語絡みの冗談を言った時、
私は全然意味が分からなかったのですが、
会場の大半の人たちがどっと笑った時でした。

それまでは、会場は朝鮮学校内ですが、
聴衆は私達と何ら変わらない人たちばかりで、
てっきり大部分日本人ばかりなのだろうと思っていました。
ですが、半数以上は在日コリアンの方々だったようでした。
こういうことがなければ、全く区別はつきません。
結局差別は、見かけや行動ではなく、
民族教育・少数民族としてのアイデンティティーに向かっている、
イデオロギー等からくる感情によるもの
ということなのでしょう。
これは見かけや行動による差別より、根深いものと言えます。

ところで話が飛びますが、
今年の7月19日にサッカー選手の本田圭佑氏が、
神奈川朝鮮中高級学校・横浜朝鮮初級学校を
訪問したことはご存知でしょうか?
ワールドカップ閉幕直後という、
本田選手が国民的英雄であった時期だったのにも関わらず、
大手マスコミなどでは全く報道されませんでしたので、
余り知られていないようです。

本田選手は朝鮮学校の生徒たちに一番伝えたかったこととして、
以下のように語っています。
「両国の間に歴史として様々な事があったとしても、
僕らが人である限り、「仲間」になれるんだ!
ということを伝えたかったんです」
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimmyungwook/20181011-00100025/

拉致関係者は、前川氏には罵詈雑言を浴びせかける島田氏にしても、
本田選手の朝鮮学校訪問について触れた人は誰もいません。
完全無視です。

これは非常にバランスを欠いたことだと言わざるを得ません。
なにしろ先日の国民大集会で拉致被害者家族の増元照明氏は、
以下のようなことを言っています。
「北朝鮮を追い詰めて、北朝鮮が動かざるを得ない状況になるには、
日本がもっとやるべきことがあるんじゃないでしょうか。
ただ待っていてはだめで、絶対北朝鮮は動きませんよ(拍手)。
まず日本が、国内にいる北朝鮮シンパの人たちを
日本の法律の中でしっかりと始末していくこと、
これが一つあるんじゃないでしょうか(拍手)。
それは人権という問題ではありません。」
・・・いや、凄いですね。
「始末」って何?人権という問題ではない?
会場で聞いていて、「ここで拍手喝采?!」とぞっとしたものです。
ここまで「北朝鮮シンパの人たち」を敵視する人たちが、
なぜ本田選手の言動をスルーするのでしょうか?

ここで私は本田選手=北朝鮮シンパと言いたいのではありません。
ですが少なくとも敵対的ではありません。
しかし、家族会・救う会が今まで、
北朝鮮・朝鮮総連・朝鮮学校などに敵対的態度をとらない人たち
(例えば前川喜平氏)あるいは自分達の主張と同調しない人たちに、
どれだけ強硬な態度をとってきたかを考えると、
本田選手への肯定でも否定でもない
「無視」という態度は、奇妙なものに感じます。

今まで家族会・救う会が強く抗議あるいは
攻撃した代表的事例を列挙してみましょう。
① ジャーナリスト田原総一朗氏への抗議(2009年)
www.sukuukai.jp/mailnews.php?itemid=1875&catid=49
② 総理大臣菅直人氏(当時)への抗議(2011年)
www.sukuukai.jp/mailnews/item_2677.html
③ TBSへの抗議(2015年)
www.sukuukai.jp/mailnews/item_4944.html
④ 参議院議員・ジャーナリスト有田芳生氏への攻撃(2016年)
http://www.sukuukai.jp/mailnews/item_5433.html

それぞれの抗議の詳細についてはここでは触れませんが、
はっきり言えることは、拉致問題解決に悪影響を及ぼした、
と言えるものは一つもなく、
何故抗議されなければならないのか分からない事例ばかりだ
ということです。

本田選手はサッカー界のスターであり、
ほとんど言いがかりとしかいいようのない抗議を受けている方々も、
かなり社会的影響力のある人たちです。
何が違うのでしょう?

そういえば、私達はこのブログで、
激しく政府・救う会・家族会のことを批判しています。
実は私達のしている批判は決して珍しいものでも独自のものでもなく、
ネット上ではそれなりに見かけるものであり、
それだけでなく、
十数年前から同じような批判をしているHP・ブログは
今でも見ることができます。
それらに対して、
救う会・家族会が抗議・批判・反論したという話は聞きません。
私達もはっきり言って「無視」されています。

これは私の推測でしかありませんが、
違いは「それなりの権力基盤があるかないか」であるように思えます。
本田選手は社会的影響力はありますが、権力基盤はもっていません。
数多のHP・ブログも同様です。

一方で政治家の菅直人氏・有田芳生氏。
マスコミのTBS・田原総一朗氏。
官僚だった前川喜平氏。
彼らはリベラルとして、あるいは独立した個人として、
自民党中心の権力基盤から独立した、
別な権力基盤を持っています。あるいは持っていました。
それらに打撃を与えるため、ひとつの「踏み絵」として
拉致問題・朝鮮学校問題を使っているように見ることもできます。
「踏み絵」ならば、ただの道具ですから、
描かれている絵の内容はどうでもいいのです。
「可哀想な拉致被害者とその家族」というイメージだけで充分です。
13歳の少女横田めぐみさんのイメージは最大限に利用されています。
だから自分達への批判は平気で無視します。

特に朝鮮学校への差別については、
「リベラル」としては声をあげずにいられないものであり、
そのたびに救う会・家族会から
北朝鮮のスパイ・拉致問題解決を妨害する人でなし、
と攻撃されるならば、日本のリベラル勢力は弱体化せずにいられません。

先日、ある講演会で、あるジャーナリストの方に聞きました。
「先日の国民大集会はひどい国粋主義の集会そのものでしたが、
報道したのはリテラだけです。
また救う会会長の西岡力氏は慰安婦問題で捏造したことを認めましたが、
報道したのは週刊金曜日だけです。
リベラルとされている朝日新聞・毎日新聞などは、
拉致問題に対して批判的な報道をすることはできないのでしょうか?」
答えは
「彼らには報道するのは不可能だろうね。拉致問題はタブーだから」
というものでした。

その通り。
拉致問題を通じて日本のリベラルは口を封じられ、
保守的な発言・政権寄りの発言しかできない国になってしまいました。
発言が許されているのは、権力基盤をもたない、バラバラな個人だけです。

マスコミはけしからん!ジャーナリズムの使命を果たせ!
という人々は大勢いますが、それは無理というものでしょう。
大手マスコミの記者もサラリーマンです。
ジャーナリズムの使命を果たすために、人生を棒に振る訳にいきません。
勇気ある人もいたのでしょうが、大勢を動かすことは困難です。

ではどうすればいいのか?
これは「無視」というかたちで発言が許されている、
権力基盤をもたない、バラバラな個人が立ち上がるしかないでしょう。
本田選手もそうです。
その他のスポーツ選手やアーティスト、
作家、フリージャーナリストもそうです。
多くの立派な人たちが立ち上がっていることは知っていますが、
まだまだ足りません。
「あなた」が立ち上がらなければならないのです。
そして発信をして、繋ぎ合わなければなりません。

そのためにはこのブログを読んだり、
人の言っていることを聞くだけでは十分ではありません。
今まで何回か言っていますが、
自分の足で動き、自分の目で見て、自分の頭で考える必要があります。

いつも同じ考え方をする人たちの集会だけではなく、
同じ問題でも違う見方をする人たちの集会への参加は
最初は、参加すること自体に違和感や抵抗感があるかもしれません。
しかし、同じモノでも視点を変えると見え方は変わります。
同じ角度からだけ見ていると、全体像が見えていないこともあります。
例えば、円柱を真上から見れば、平面の円にしかみえません。
真横からのシルエットだけを見れば、長方形にしか見えません。
しかし、角度を変えて見ることにより、
円柱であること、全体像が見えてくるものです。
それによって、自分の考え方、モノの見方に幅が出ることがあります。
今まで、見ていたこと、信じていたことに
変化が生じるかもしれません。

具体的に拉致問題で言えば、
11月1日には家族会・救う会の東京連続集会が開催されます。
www.sukuukai.jp/syuukai/item_6731.html
関東圏在住の人は一度参加してみられてはいかがでしょうか?
参加料が1000円かかりますが・・・(なんで1000円もとるのか謎です)
自分の目で、
今日本で起こっていることを目撃することは、とても大事なことです。
そして自分の頭で考えましょう。

意図的に作られたタブーをなくしていくために
考えたことを発信しましょう。



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Serenity Prayer

某県「救う会」(北朝鮮に拉致された日本人を救出する〇〇の会)元幹事。
脱退後に意見の対立から除名されたらしい。(正式な通告はなかった)
ウヨク的思考を経て中立に物事を見て、判断し、発言する方向へ変わる。
中立の立場から今の拉致問題のあり方に疑問を持つ。
拉致問題に限らず、考え方はヒューマニズムに立つ。