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拉致問題を通じて「加害者」にならないために

日本政府
10 /19 2018
拉致問題を通じて「加害者」にならないために

先日の自民党総裁選では、大方の予想通り、安倍晋三氏が勝利しました。

そして成立した第四次安倍内閣では、菅官房長官が拉致問題担当大臣を兼任。
これについては、まさかそうなるとは思ってもみませんでしたが、
「ああ、やっぱり総裁選が終わったら拉致問題は放置なんだな」
と改めて実感しました。

一方で、産経新聞では
「首相が政権の要として辣腕を振るう菅氏に担当相を兼務させたのは、
最重要課題である拉致問題解決に向けて
「あらゆるチャンスを逃さない」(首相)という決意の表れだ。」
などと書かれています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181008-00000020-san-po
l 噴飯物とはまさにこのこと。
まあ、産経新聞ですからね。

しかし、それに拉致被害者家族まで、賛同する姿勢を示していることは、
見逃すことができません。
家族会代表の飯塚繁雄氏は
「首相直結で問題に対応できることは、今までと違った良い面だ。
被害者の帰国に向けた手をすぐに打ってもらいたい」
横田早紀江氏は
「菅官房長官が拉致担当大臣になったことは、わたしたち家族会にとっても、
本当に大きな喜びです」
と語っています。

なぜこれが噴飯物なのかを、具体的に、
まず拉致問題対策本部の構成から説明したいと思います。
以下の文書を見て下さい。
http://www.rachi.go.jp/jp/archives/2013/0125kakugikettei.pdf

拉致問題対策本部の本部長は内閣総理大臣。
副本部長は拉致問題担当大臣・内閣官房長官・外務大臣。
本部員は他の全ての国務大臣
とされています。

つまり、菅官房長官が拉致問題担当大臣を兼任することは、
3人の副本部長が2人になったことに過ぎないのです。
(広報しか行っていない拉致問題担当大臣であれ)
だからこれは、これからもっと拉致問題をおざなりに扱うという姿勢の
現われ以外の何物でもありません。
 ※増元照明氏に至っては、「外務省は信用できない。官邸主導で交渉して」
などと言っています。そうなると副本部長は1人になります。
https://www.sanspo.com/geino/news/20181003/sot18100305010004-n1.html

産経新聞によると、拉致問題解決へ「段取り(を)作る」
などと言っているそうですが、
組織上、菅官房長官はずっと拉致問題対策本部の副本部長でした。
今まで段取りを作っていなかったとすれば、
とんでもない職務怠慢であり、普通に考えて、懲戒解雇の対象であれ、
要職を2つ兼務したことを「大きな喜び」と歓迎されるなどというのは、
有り得べからざることという他ありません。

そして飯塚氏の言う、
「首相直結で問題に対応できることは、今までと違った良い面だ。」
などまさに論外で、
菅官房長官はずっと拉致問題対策本部の副本部長だったのですから、
当然ずっと首相直結で問題に対応できていたのです。
今までと違ったよい面など、全くありません。

とはいえ、もちろん問題の核心は、菅官房長官ではありません。
彼はどこまでいっても副本部長です。
拉致問題対策本部の本部長。
安倍総理が問題の核心です。

何かと拉致問題のイベントがある際に、
「力不足で御家族を救い出すことができずに申し訳ありません」
というのが拉致問題担当大臣の役目のようになっていますが、
「新しい視点」などで既に触れているように、
拉致問題担当大臣の仕事はあくまで広報であり、救出ではありません。
それなのにまるで拉致問題担当大臣が、
自分が拉致問題解決の責任者のような言動をするのは、
意図的なミスリードです。

上で言ったようなことを拉致被害者家族が、
「騙されていて」、知らないのではありません。
10月12日に菅官房長官は救う会・家族会のメンバーと面会しましたが、
その記事に以下のようにあります。
www.sukuukai.jp/mailnews/item_6718.html
「官房長官就任後は総理が本部長の政府拉致問題対策本部で
拉致担当大臣と共に副本部長を勤めてきたことなどの紹介があり、
家族会の思いを理解しながら正念場を迎えた被害者救出のために
全力を尽くしたいという挨拶があった。」
家族はちゃんと知っているのです。

先の文書を見て頂ければお分かりのように、
拉致問題担当大臣は、拉致問題対策本部のリーダーですらありません。
リーダーは本部長である内閣総理大臣です。
誰が考えても、拉致問題が解決できていない責任は、
100%、内閣総理大臣安倍晋三氏にあるのです。

安倍総理が、拉致問題に取り組む、と言っただけで、
美談のように語る方々が、保守方面に大勢いますが、
内閣総理大臣が拉致問題解決に全力で取り組むのは、
職務上当然のことです。
そしてたとえ心底拉致問題に全力に取り組んでいたとしても、
評価されるのは結果によってだけであり、
任期中成果が挙がらなければ、批判されます。
いや、批判されなければならないのです。
それが彼の仕事なのですから。
仮に「取り組んでいない」のなら批判ではなく弾劾に値する行動です。

だから先の飯塚氏の発言は二重の意味で大問題なのです。
「首相直結で問題に対応できること」をまるでよいことのように言っていますが、
この6年間なんの成果も出せていない張本人と直結して問題に対応することは、
これからもずっと成果が出せない状況が続くことを望んでいることに
他なりません。

自分の家族そっちのけで安倍総理を応援するのならまだいいのです。
いわゆる安倍応援団の中には、
家族を犠牲にして安倍総理に尽くしている人は結構います。
はたから見て悲惨なものですが、よそ様の家族のことなので、
そうとやかく言うことはできません。
しかし、自分の家族の不幸を出汁にして異論を封じることで、
安倍総理を応援するようなことは、
人として批判されなければならない行動です。

ところで、最近リベラル系の東アジア情勢に関する集会・勉強会に
よく参加するのですが、
そこでは基本的に、拉致問題についてあまり語られません。
そこで質問時間などに挙手をして、
強引に拉致問題へと話をもっていこうとするのですが、
私の意見が一番過激なようであり、
私以上に拉致問題に対して厳しい意見を言う人には、
今まで一度も会ったことがありません。

「なんで拉致被害者家族が、自分の家族の救出よりも、
安倍総理の応援を優先したりするのですか?その理由がわかりません」
と言われたことが何度もあります。

それを聞くと、なんてこの人たちは純粋ないい人なんだろうと思います。
そして自分がすっかり汚れてしまっているように思います。
しかし、汚い真実を言わなければなりません。
「権力者とお近づきになるためなら、なんでもする人間は、
特に悪人でなくても、この世の中にはいくらでもいるのです」

それは、TV画面の向こうの存在ではなく、肩を並べて、拉致被害者家族と、
長年運動を続けたからこそ実感できることです。
そうでなければ誰だって彼らのことを、
「可哀想な拉致被害者家族」としか思わないでしょう。
別に拉致被害者家族が嫌いだから、こんなことを言っているのではありません。
邪悪な人たちにおだてられて、
人の道から外れた言動をとっている彼らが気の毒だから、
そして彼らにミスリードされて破局へと導かれている、
我が祖国日本を黙って見ていることができないから、
あえて厳しいことを言っているのです。

だからリベラルの人たちにもはっきりと言います。
皆さんは署名活動や国会前の集会などで、
「安倍政治を許さない!」
「子どもたちを戦場に送るな!」
「憲法9条を守れ!」
「ヘイトスピーチは許さない!」
と言っていますよね。
もちろんその通りです。そう言うべきなのです。

それならば、
「拉致問題を解決できるのは安倍総理しかいない!」
「拉致被害者を救い出すために、憲法を改正して自衛隊を派遣しろ!」
「朝鮮学校への補助金・無償化反対!北朝鮮・韓国は嘘つき国家!」
と言う発言をなぜ批判しないのでしょうか?
相手によって言うことを変えるようだと、その言葉の本気度が疑われます。
 *朝鮮学校への補助金は税金ですが、その税金は
  特別永住者たる在日韓国・朝鮮人も納めています。
  よく「日本人の税金で~」という発言を聞きますが、
  「日本人だけ」が税金を納めている訳ではありません。

今のままでは「拉致被害者」は「被害者」ですが、
「拉致被害者家族」は「加害者」です。
何に対しての加害者であるかは、何度も言っていますので、繰り返しません。
加害者に物申せないようでは、
私たちはまた「過ち」を繰り返すことになります。
過ちを繰り返すことで、私たちまで「加害者」になってしまうのです。

過ちを繰り返さないために必要なものは何でしょう?
色々あります。
私は、一番大事なのは勇気だと思います。
誰が相手であれ、信念に基づいて行動できる、勇気。

若者や子どもたちに恥じない生き方をしようではありませんか。
勇気を持って。
自分がいい人だと思われたい、というのはただのエゴです。
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Serenity Prayer

某県「救う会」(北朝鮮に拉致された日本人を救出する〇〇の会)元幹事。
脱退後に意見の対立から除名されたらしい。(正式な通告はなかった)
ウヨク的思考を経て中立に物事を見て、判断し、発言する方向へ変わる。
中立の立場から今の拉致問題のあり方に疑問を持つ。
拉致問題に限らず、考え方はヒューマニズムに立つ。