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Ⅳ なぜ安倍政権は拉致問題を政治利用できるのか?

新しい視点
06 /16 2018
Ⅳ なぜ安倍政権は拉致問題を政治利用できるのか?

 ここで拉致問題の政治利用について考えてみます。
先の蓮池透氏の本でもこう書かれています。
「拉致問題を最も巧みに利用した国会議員は、やはり安倍晋三氏だと思っている。拉致問題を梃にして総理大臣にまで上り詰めたのだ。」(p85)
それにしてもおかしな話です。安倍総理の拉致問題における実績はゼロなのですから。

よく政治利用でもいいから実績をあげて、という人がいますが、実績など一切上っていないのに、なぜ政治利用できているのか?

それが拉致問題における広報活動の成果です。
広報活動の成果に以下のものがあります。

①最大の人権問題(?)である拉致問題に熱心な与党、不熱心な野党というイメージを作ることで、まるで与党が人道的で、野党が非人道的であるかのように装える。
②5人帰国は与党の実績、死亡とされている7人は生きている、というイメージを作った上で、ただ「取り返す」と連呼することで、拉致問題では誰も死んでいないことにして、拉致被害を防げなかった与党の責任を棚上げすることができる。
③危険な国家北朝鮮の危機を煽ることで、世論を右傾化させ、タカ派的な発言・行動をする与党の支持率上昇・憲法改正に利用することができる。
④北朝鮮の危機を煽り、「交渉は無意味」「大事なのは圧力のみ」と言い続けることで、武力こそが全てという言論空間を作り上げ、「アメリカ追従容認」「9条改正は正義」という与党に都合がいいだけのスローガンを浸透させることができる。
⑤北朝鮮の危機を煽り、政権のスキャンダルを追及する野党に対して、「総理は北朝鮮対策をしなければならないのに、些末なことで責任を追及する野党は非国民」と開き直ることができる。

これは大変な成果です。
日本政府の拉致問題への取り組みが不熱心であるとは到底いえません。大変熱心です。
ただ、取り組みの方向性が、政治利用の方しか向いていないということが大問題なのです。
しかしこれは、見てお分かりのように、私達大多数の国民の利益と、真っ向から対立しています。
それでは安倍政権にとっての利益とは何なのか?
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Serenity Prayer

某県「救う会」(北朝鮮に拉致された日本人を救出する〇〇の会)元幹事。
脱退後に意見の対立から除名されたらしい。(正式な通告はなかった)
ウヨク的思考を経て中立に物事を見て、判断し、発言する方向へ変わる。
中立の立場から今の拉致問題のあり方に疑問を持つ。
拉致問題に限らず、考え方はヒューマニズムに立つ。