在日朝鮮人も含めた特定失踪者の拉致認定とは?
特定失踪者
在日朝鮮人も含めた特定失踪者の拉致認定とは?
特定失踪者の家族会と、特定失踪者問題調査会などが24日、
東京都内で、問題解決を訴えて初のデモを行ったそうです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190524-00000569-san-soci
「特定失踪者家族が初のデモ 「心込めた調査」訴え」
「北朝鮮による拉致の可能性が排除できない「特定失踪者」の家族会と、
支援団体の特定失踪者問題調査会などが24日、
東京都内で、問題解決を訴えて初のデモを行った。
全国各地にいる失踪者の家族が東京に集まるのは、
集会が開かれた平成22年以来約9年ぶり。
同日午前、千代田区の日比谷公園前を出発した隊列には、
失踪者家族や支援者、
政府認定被害者の増元るみ子さん(65)=拉致当時(24)=の弟、
照明さん(63)も含め約200人が参加。
失踪者の顔写真を首から下げ、
政府に「被害者救出のためにすべての手段の動員を」などと求めた。
政府認定の被害者は帰国者5人を含め17人だが、
警察庁はこれまで882人を特定失踪者とし、
全国で拉致の疑いを否定せず捜査・調査を継続している。
調査会が「拉致濃厚」とみている失踪者もいるが、
政府は認定に慎重だ。
国内で安否が判明することがあり、
「北朝鮮に『日本の主張はずさんで信用できない』と反論される恐れがある」
との判断があるとされる。
認定をめぐる認識の差とは無関係に、
どの家族にも高齢化の波は押し寄せている。
都庁前で開かれた22年の集会には約70家族が参加したが、
今回のデモは20家族ほどにとどまった。
亡くなったり体調を崩したりしている人は多い。
昭和47年に失踪した生島孝子さん(77)=失踪当時(31)=の姉、
馨子さん(79)は
「政府は特定失踪者のことも心を入れて調べてほしい」と話した。」
この記事の写真で、
菅官房長官兼拉致問題担当大臣が
特定失踪者家族会の大沢会長から、
要望書を受け取っています。
その要望書の内容が、
特定失踪者問題調査会の荒木和博代表のブログに掲載されていたので、
読んでみました。
「本日の要請文書」
araki.way-nifty.com/araki/2019/05/post-3e2cea.html
そして、そのなかの一項目に目を引かれました。
「3、在日朝鮮人も含め特定失踪者の拉致認定を進めてください」
「在日朝鮮人を含め」とはどういう意味なのか?
疑問を感じました。
該当箇所を転載してみます。
「3、在日朝鮮人も含め特定失踪者の拉致認定を進めてください
先日、今回のデモ、要請や集会に合わせるかのように
警察は日本国内で発見された特定失踪者について発表しました。
私たちは拉致でなく日本国内で所在が確認されるなら
それに勝るものはないと考えています。
しかし一方、警察は「拉致でない」
というケースを強調するのは熱心なのに、
肝心の拉致認定は松本京子さんが
平成18年(2006)11月に認定されて以来
この13年間ただの1人もされていません。
私たちには「認定の有無にかかわらず」との文言が
逆に認定をしないための言い訳になっていると感じられます。
警察は「北朝鮮側に反論する材料を与えることがないよう、
慎重に対応している」と言いますが、
青山学院大の福井義高教授も統計学による分析で
「拉致濃厚な失踪者とそれ以外の失踪者を合わせて、
少なくとも100人程度が北朝鮮に拉致されたことは
合理的な疑いを超える事実である」と述べています。
被害者が100人以上であれば、
現在の「17人」との差は単なる誤差にとどまるものではなく、
大幅な違いがあること自体が責任問題と言えます。
そうでないことを期待しますが、
何人かの拉致被害者も亡くなった可能性があります。
救出という観点からすれば、
「慎重」にやるのと多少の誤差があっても
全体像に迫るのとどちらをとるべきかは明らかです。
あわせて今後、認定されていない拉致被害者が
北朝鮮で死亡していた場合はどの省庁の誰が
どのように責任をとるのかも明確にされるよう要望します。
また、高姉弟が警察断定なのは朝鮮籍であるためですが、
母親である渡辺秀子さんは日本人です。
表に出ていないだけで帰還事業で北朝鮮に渡った人々以外に
在日朝鮮人で拉致された被害者も相当数いることは明らかです。
調査会のリストでは在日のみならず台湾人の沈静玉さんもいます。
支援法を改正するか、認定自体を別の法体系で行うなどして、
日本国内から拉致された被害者については
国籍の別なく対応してもらうよう要望します。」
これは見過ごしにできない内容です。
批判することに致します。
① 「先日、今回のデモ、要請や集会に合わせるかのように
警察は日本国内で発見された特定失踪者について発表しました。
私たちは拉致でなく日本国内で所在が確認されるなら
それに勝るものはないと考えています。」
⇒確実な証拠もなく、北朝鮮の拉致呼ばわりしていたのですから、
まずは北朝鮮に対して「この件についてだけでも」謝罪をしたらどうですか?
それを「今回のデモ、要請や集会に合わせるかのように」
という“陰謀説”は、とんだ逆切れではないでしょうか。
ところで、荒木氏のブログでは、
その先日の日本国内で発見された特定失踪者についての記事も掲載しています。
「戻って来た人」
araki.way-nifty.com/araki/2019/05/post-a91d6b.html
正直言いまして、このように
「何が何でも北朝鮮のせいだ!」
というバイアスを持った人物が一番なってはいけないのが、
「北朝鮮に『日本の主張はずさんで信用できない』
と反論される恐れがある」ため、慎重さが求められる、
特定失踪者問題調査会の代表なのではないですか?
「救出という観点からすれば、
「慎重」にやるのと多少の誤差があっても
全体像に迫るのとどちらをとるべきかは明らかです。」
など大雑把なことを言う人は、即刻辞めて頂きたい。
② 「拉致認定は松本京子さんが
平成18年(2006)11月に認定されて以来
この13年間ただの1人もされていません。
私たちには「認定の有無にかかわらず」との文言が
逆に認定をしないための言い訳になっていると感じられます。」
⇒当ブログで以前掲載した
「特定失踪者問題調査会という組織」という記事の中で、
荒木和博氏自身が書いた「「拉致認定」は本当に必要なのでしょうか」
という文章を全文掲載しました。
serenityprayer323.blog.fc2.com/blog-entry-59.html
荒木氏は、2013年4月6日に、
「調査会の目標とするところは拉致認定ではなく
拉致被害者救出である」と、
特定失踪者の拉致被害者認定を日本政府に求めることを
積極的な目標とはしないと言っているのです。
にも関わらず、今回は政府が特定失踪者を
政府認定拉致被害者として認定しないことを問題視しています。
この矛盾した言動。
調査会は「拉致されたかもしれない失踪者」を
「拉致が確実な被害者」にしていく活動を自らは放棄しながら
「政府が認定しないこと」の責任を問うているのです。
誤った方針変更をした責任を、今すぐとるべきなのは調査会でしょう。
③ 「青山学院大の福井義高教授も統計学による分析で
「拉致濃厚な失踪者とそれ以外の失踪者を合わせて、
少なくとも100人程度が北朝鮮に拉致されたことは
合理的な疑いを超える事実である」と述べています。」
⇒「統計学による分析」から得られる人数が100人程度であり、
それを調査会が根拠として採用するなら、
自らの出している400余人や、「約900人」の根拠としての
警察庁の出している822人という数字は採用すべきではないでしょう。
※「統計学による分析=事実」となるのでしょうか?
統計学についてはよくは判らないのですが、
統計による分析とはあくまで、事実に近い推測。
多くのデータからの平均値、集約したものから見て取れる結果からの
あくまで推測でしかないものだと思うのですが。
福井教授という人が、
「100人程度が合理的な疑いを超える事実」であると
言っていて、それが仮に現在有力な「事実」であるなら、
警察庁の出している882人という数字は何なのか?
それを追認している調査会は、自分にとって都合のいい数字を
「専門家の意見」として、都合のいい時だけ活用し、
世論を煽っているだけと言えます。
④ 「表に出ていないだけで帰還事業で
北朝鮮に渡った人々以外に在日朝鮮人で
拉致された被害者も相当数いることは明らかです。
調査会のリストでは在日のみならず台湾人の沈静玉さんもいます。」
⇒「在日朝鮮人で拉致された被害者も相当数いることは明らか」というなら、
その根拠・具体例を示す必要があります。
それをせずに
「在日のみならず台湾人の沈静玉さんもいます」というのでは、
それは意図的な印象操作です。
まさか高姉弟が「相当数」の根拠でしょうか?
又、この要望書の前文部分にも、
見過ごすことのできない箇所があります。
「拉致被害者の救出には最終的に現体制が変わることが必要であり、
それは北朝鮮の人権問題解決にも重要な意味を持つと考えます。
拉致被害者も含め北朝鮮にいる全ての人々が
自由と平和を享受できるように、
日本の主体的な役割が求められているところです。」
先日当ブログで
「5/19 「全拉致被害者の即時一括帰国を実現せよ!
国民大集会」報告(続き)」という記事を掲載し、
荒木和博氏の極めて好戦的な言動を問題視しました。
荒木氏は国民大集会の壇上でこう言いました。
「この間北朝鮮の中で膨大な人たちが、
日本人の拉致被害者もそうですし、それから在日朝鮮人の帰国者、
その日本人家族もそうですし、そしてまた、
今北朝鮮に住んでいるごく普通の二千数百万の大部分が
被害者である人たちが、まさにですね、死んでいっている訳です。
その人たちのことを考えて、私はあえて言いますが、
復讐をしない訳にはいけない。
絶対にかたきをとってやる、という風に思っております。」
併せて読んでみると、
その余りにも好戦的・侵略的な傾向は一目瞭然であり、
「北朝鮮の人権問題」
「拉致被害者も含め北朝鮮にいる全ての人々が
自由と平和を享受できるように」
「在日朝鮮人を含めた特定失踪者の拉致認定」
などはその意図を隠すための、
親切めかした口実に過ぎないことが見て取れます。
「北朝鮮による拉致の可能性が排除できない」特定失踪者という、
最初から拉致被害者と同一視すること自体に無理のある対象を、
あたかも拉致被害者そのものであるように言い募り、
「1000人近い拉致被害者」のイメージで
在日コリアン社会に甚大なるプレッシャーを与え続けてきた、
まさにそのご当人が、
「在日朝鮮人を含めた特定失踪者の拉致認定」などと言って、
自らの好戦的・侵略的意図の根拠の一つにしようとするその偽善的姿勢は、
非難されてもしかたのないものではないでしょうか。
「特定失踪者問題調査会や、
その代表の荒木和博氏なんか誰も知らないし、
何の影響力もないよ。何をむきになっているのだ。」
という人がいるかもしれません。
しかし、そうであるなら今話題の丸山穂高議員も、
特別な影響力の持ち主ではありません。
しかし国会議員の立場で、戦争を望むような発言をしたため、
多くの人の非難を浴びています。
当然だと思います。
一方、特定失踪者問題調査会代表の荒木和博氏はどうでしょうか?
19日の国民大集会で、多くの政権与党の国会議員も臨席している場で、
戦争を示唆する発言を公然と行い、拍手喝采を浴びています。
そして日本政府の中枢がその役職を兼務している拉致問題対策本部と、
ラジオ放送やコンサートなどしきりと共催しています。
国会議員の中から、「彼の好戦的な言動はいかがなものか」
というような苦言など、ただの一度もされたことはありません。
拉致問題ではよく「罪を憎んで、人を憎まず」という言葉が言われます。
(最近は罪も人も憎む発言が相次いでいますが)
私は別に調査会へも荒木代表個人にも恨みも憎しみも持っていません。
しかし拉致問題・北朝鮮の人権問題を口実に、
この日本を戦争に引き込もうとするような言動をするのであれば、
その罪は憎まなければなりません。
そして、そのような言動を許す土壌が
日本政府の中にあるのであれば、それを白日下にさらすことは、
この時代に生きる一個人としての義務であると考えます。
この記事を読まれた方。
このままでいいのか、
ご一考をお願いいたします。
そして特定失踪者の家族の皆さん。
特定失踪者とは、
「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない失踪者」のことである、
という原点にかえり、
荒木和博氏個人の好戦的志向による
ミスリードに惑わされないようにして下さい。
実際に特定失踪者であるご家族が、真の拉致被害者であった場合、
救出する方法は戦争・武力行使などではありません。
北朝鮮での居場所も判らないのです。
北朝鮮で家族を作っているなら
その人達を見捨てて、自分だけ帰国をするわけにも行かないでしょう。
まして、戦争、武力で救出となれば、
被害者の生命の安全は完全に保証されるものではないのですから。
命を救う手段は、平和的交渉にしかないのです。
特定失踪者の家族会と、特定失踪者問題調査会などが24日、
東京都内で、問題解決を訴えて初のデモを行ったそうです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190524-00000569-san-soci
「特定失踪者家族が初のデモ 「心込めた調査」訴え」
「北朝鮮による拉致の可能性が排除できない「特定失踪者」の家族会と、
支援団体の特定失踪者問題調査会などが24日、
東京都内で、問題解決を訴えて初のデモを行った。
全国各地にいる失踪者の家族が東京に集まるのは、
集会が開かれた平成22年以来約9年ぶり。
同日午前、千代田区の日比谷公園前を出発した隊列には、
失踪者家族や支援者、
政府認定被害者の増元るみ子さん(65)=拉致当時(24)=の弟、
照明さん(63)も含め約200人が参加。
失踪者の顔写真を首から下げ、
政府に「被害者救出のためにすべての手段の動員を」などと求めた。
政府認定の被害者は帰国者5人を含め17人だが、
警察庁はこれまで882人を特定失踪者とし、
全国で拉致の疑いを否定せず捜査・調査を継続している。
調査会が「拉致濃厚」とみている失踪者もいるが、
政府は認定に慎重だ。
国内で安否が判明することがあり、
「北朝鮮に『日本の主張はずさんで信用できない』と反論される恐れがある」
との判断があるとされる。
認定をめぐる認識の差とは無関係に、
どの家族にも高齢化の波は押し寄せている。
都庁前で開かれた22年の集会には約70家族が参加したが、
今回のデモは20家族ほどにとどまった。
亡くなったり体調を崩したりしている人は多い。
昭和47年に失踪した生島孝子さん(77)=失踪当時(31)=の姉、
馨子さん(79)は
「政府は特定失踪者のことも心を入れて調べてほしい」と話した。」
この記事の写真で、
菅官房長官兼拉致問題担当大臣が
特定失踪者家族会の大沢会長から、
要望書を受け取っています。
その要望書の内容が、
特定失踪者問題調査会の荒木和博代表のブログに掲載されていたので、
読んでみました。
「本日の要請文書」
araki.way-nifty.com/araki/2019/05/post-3e2cea.html
そして、そのなかの一項目に目を引かれました。
「3、在日朝鮮人も含め特定失踪者の拉致認定を進めてください」
「在日朝鮮人を含め」とはどういう意味なのか?
疑問を感じました。
該当箇所を転載してみます。
「3、在日朝鮮人も含め特定失踪者の拉致認定を進めてください
先日、今回のデモ、要請や集会に合わせるかのように
警察は日本国内で発見された特定失踪者について発表しました。
私たちは拉致でなく日本国内で所在が確認されるなら
それに勝るものはないと考えています。
しかし一方、警察は「拉致でない」
というケースを強調するのは熱心なのに、
肝心の拉致認定は松本京子さんが
平成18年(2006)11月に認定されて以来
この13年間ただの1人もされていません。
私たちには「認定の有無にかかわらず」との文言が
逆に認定をしないための言い訳になっていると感じられます。
警察は「北朝鮮側に反論する材料を与えることがないよう、
慎重に対応している」と言いますが、
青山学院大の福井義高教授も統計学による分析で
「拉致濃厚な失踪者とそれ以外の失踪者を合わせて、
少なくとも100人程度が北朝鮮に拉致されたことは
合理的な疑いを超える事実である」と述べています。
被害者が100人以上であれば、
現在の「17人」との差は単なる誤差にとどまるものではなく、
大幅な違いがあること自体が責任問題と言えます。
そうでないことを期待しますが、
何人かの拉致被害者も亡くなった可能性があります。
救出という観点からすれば、
「慎重」にやるのと多少の誤差があっても
全体像に迫るのとどちらをとるべきかは明らかです。
あわせて今後、認定されていない拉致被害者が
北朝鮮で死亡していた場合はどの省庁の誰が
どのように責任をとるのかも明確にされるよう要望します。
また、高姉弟が警察断定なのは朝鮮籍であるためですが、
母親である渡辺秀子さんは日本人です。
表に出ていないだけで帰還事業で北朝鮮に渡った人々以外に
在日朝鮮人で拉致された被害者も相当数いることは明らかです。
調査会のリストでは在日のみならず台湾人の沈静玉さんもいます。
支援法を改正するか、認定自体を別の法体系で行うなどして、
日本国内から拉致された被害者については
国籍の別なく対応してもらうよう要望します。」
これは見過ごしにできない内容です。
批判することに致します。
① 「先日、今回のデモ、要請や集会に合わせるかのように
警察は日本国内で発見された特定失踪者について発表しました。
私たちは拉致でなく日本国内で所在が確認されるなら
それに勝るものはないと考えています。」
⇒確実な証拠もなく、北朝鮮の拉致呼ばわりしていたのですから、
まずは北朝鮮に対して「この件についてだけでも」謝罪をしたらどうですか?
それを「今回のデモ、要請や集会に合わせるかのように」
という“陰謀説”は、とんだ逆切れではないでしょうか。
ところで、荒木氏のブログでは、
その先日の日本国内で発見された特定失踪者についての記事も掲載しています。
「戻って来た人」
araki.way-nifty.com/araki/2019/05/post-a91d6b.html
正直言いまして、このように
「何が何でも北朝鮮のせいだ!」
というバイアスを持った人物が一番なってはいけないのが、
「北朝鮮に『日本の主張はずさんで信用できない』
と反論される恐れがある」ため、慎重さが求められる、
特定失踪者問題調査会の代表なのではないですか?
「救出という観点からすれば、
「慎重」にやるのと多少の誤差があっても
全体像に迫るのとどちらをとるべきかは明らかです。」
など大雑把なことを言う人は、即刻辞めて頂きたい。
② 「拉致認定は松本京子さんが
平成18年(2006)11月に認定されて以来
この13年間ただの1人もされていません。
私たちには「認定の有無にかかわらず」との文言が
逆に認定をしないための言い訳になっていると感じられます。」
⇒当ブログで以前掲載した
「特定失踪者問題調査会という組織」という記事の中で、
荒木和博氏自身が書いた「「拉致認定」は本当に必要なのでしょうか」
という文章を全文掲載しました。
serenityprayer323.blog.fc2.com/blog-entry-59.html
荒木氏は、2013年4月6日に、
「調査会の目標とするところは拉致認定ではなく
拉致被害者救出である」と、
特定失踪者の拉致被害者認定を日本政府に求めることを
積極的な目標とはしないと言っているのです。
にも関わらず、今回は政府が特定失踪者を
政府認定拉致被害者として認定しないことを問題視しています。
この矛盾した言動。
調査会は「拉致されたかもしれない失踪者」を
「拉致が確実な被害者」にしていく活動を自らは放棄しながら
「政府が認定しないこと」の責任を問うているのです。
誤った方針変更をした責任を、今すぐとるべきなのは調査会でしょう。
③ 「青山学院大の福井義高教授も統計学による分析で
「拉致濃厚な失踪者とそれ以外の失踪者を合わせて、
少なくとも100人程度が北朝鮮に拉致されたことは
合理的な疑いを超える事実である」と述べています。」
⇒「統計学による分析」から得られる人数が100人程度であり、
それを調査会が根拠として採用するなら、
自らの出している400余人や、「約900人」の根拠としての
警察庁の出している822人という数字は採用すべきではないでしょう。
※「統計学による分析=事実」となるのでしょうか?
統計学についてはよくは判らないのですが、
統計による分析とはあくまで、事実に近い推測。
多くのデータからの平均値、集約したものから見て取れる結果からの
あくまで推測でしかないものだと思うのですが。
福井教授という人が、
「100人程度が合理的な疑いを超える事実」であると
言っていて、それが仮に現在有力な「事実」であるなら、
警察庁の出している882人という数字は何なのか?
それを追認している調査会は、自分にとって都合のいい数字を
「専門家の意見」として、都合のいい時だけ活用し、
世論を煽っているだけと言えます。
④ 「表に出ていないだけで帰還事業で
北朝鮮に渡った人々以外に在日朝鮮人で
拉致された被害者も相当数いることは明らかです。
調査会のリストでは在日のみならず台湾人の沈静玉さんもいます。」
⇒「在日朝鮮人で拉致された被害者も相当数いることは明らか」というなら、
その根拠・具体例を示す必要があります。
それをせずに
「在日のみならず台湾人の沈静玉さんもいます」というのでは、
それは意図的な印象操作です。
まさか高姉弟が「相当数」の根拠でしょうか?
又、この要望書の前文部分にも、
見過ごすことのできない箇所があります。
「拉致被害者の救出には最終的に現体制が変わることが必要であり、
それは北朝鮮の人権問題解決にも重要な意味を持つと考えます。
拉致被害者も含め北朝鮮にいる全ての人々が
自由と平和を享受できるように、
日本の主体的な役割が求められているところです。」
先日当ブログで
「5/19 「全拉致被害者の即時一括帰国を実現せよ!
国民大集会」報告(続き)」という記事を掲載し、
荒木和博氏の極めて好戦的な言動を問題視しました。
荒木氏は国民大集会の壇上でこう言いました。
「この間北朝鮮の中で膨大な人たちが、
日本人の拉致被害者もそうですし、それから在日朝鮮人の帰国者、
その日本人家族もそうですし、そしてまた、
今北朝鮮に住んでいるごく普通の二千数百万の大部分が
被害者である人たちが、まさにですね、死んでいっている訳です。
その人たちのことを考えて、私はあえて言いますが、
復讐をしない訳にはいけない。
絶対にかたきをとってやる、という風に思っております。」
併せて読んでみると、
その余りにも好戦的・侵略的な傾向は一目瞭然であり、
「北朝鮮の人権問題」
「拉致被害者も含め北朝鮮にいる全ての人々が
自由と平和を享受できるように」
「在日朝鮮人を含めた特定失踪者の拉致認定」
などはその意図を隠すための、
親切めかした口実に過ぎないことが見て取れます。
「北朝鮮による拉致の可能性が排除できない」特定失踪者という、
最初から拉致被害者と同一視すること自体に無理のある対象を、
あたかも拉致被害者そのものであるように言い募り、
「1000人近い拉致被害者」のイメージで
在日コリアン社会に甚大なるプレッシャーを与え続けてきた、
まさにそのご当人が、
「在日朝鮮人を含めた特定失踪者の拉致認定」などと言って、
自らの好戦的・侵略的意図の根拠の一つにしようとするその偽善的姿勢は、
非難されてもしかたのないものではないでしょうか。
「特定失踪者問題調査会や、
その代表の荒木和博氏なんか誰も知らないし、
何の影響力もないよ。何をむきになっているのだ。」
という人がいるかもしれません。
しかし、そうであるなら今話題の丸山穂高議員も、
特別な影響力の持ち主ではありません。
しかし国会議員の立場で、戦争を望むような発言をしたため、
多くの人の非難を浴びています。
当然だと思います。
一方、特定失踪者問題調査会代表の荒木和博氏はどうでしょうか?
19日の国民大集会で、多くの政権与党の国会議員も臨席している場で、
戦争を示唆する発言を公然と行い、拍手喝采を浴びています。
そして日本政府の中枢がその役職を兼務している拉致問題対策本部と、
ラジオ放送やコンサートなどしきりと共催しています。
国会議員の中から、「彼の好戦的な言動はいかがなものか」
というような苦言など、ただの一度もされたことはありません。
拉致問題ではよく「罪を憎んで、人を憎まず」という言葉が言われます。
(最近は罪も人も憎む発言が相次いでいますが)
私は別に調査会へも荒木代表個人にも恨みも憎しみも持っていません。
しかし拉致問題・北朝鮮の人権問題を口実に、
この日本を戦争に引き込もうとするような言動をするのであれば、
その罪は憎まなければなりません。
そして、そのような言動を許す土壌が
日本政府の中にあるのであれば、それを白日下にさらすことは、
この時代に生きる一個人としての義務であると考えます。
この記事を読まれた方。
このままでいいのか、
ご一考をお願いいたします。
そして特定失踪者の家族の皆さん。
特定失踪者とは、
「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない失踪者」のことである、
という原点にかえり、
荒木和博氏個人の好戦的志向による
ミスリードに惑わされないようにして下さい。
実際に特定失踪者であるご家族が、真の拉致被害者であった場合、
救出する方法は戦争・武力行使などではありません。
北朝鮮での居場所も判らないのです。
北朝鮮で家族を作っているなら
その人達を見捨てて、自分だけ帰国をするわけにも行かないでしょう。
まして、戦争、武力で救出となれば、
被害者の生命の安全は完全に保証されるものではないのですから。
命を救う手段は、平和的交渉にしかないのです。
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